相続した実家を放置するとどうなる?
親から実家を相続したけれど、住む予定も使う予定もない──そんなケースは珍しくありません。
しかし、「とりあえずそのまま」にしておくと、固定資産税・罰則・管理リスクなど、思わぬ負担が発生します。
ここでは、相続した実家を放置した場合に起こりうるトラブルと、回避策をわかりやすく解説します。
1. 相続登記を放置すると罰金が発生する可能性
2024年(令和6年)4月から、相続登記の義務化がスタートしました。
これにより、不動産を相続した人は、相続が発生した日または遺産分割が成立した日から3年以内に登記を行わなければなりません。
この期限を過ぎても登記をしない場合、10万円以下の過料(罰金)が科される可能性があります。
登記を怠ると、次のようなリスクも生じます。
- 売却や賃貸などの手続きができない
- 他の相続人が亡くなると権利関係がさらに複雑化する
- 行政から「登記を促す通知」や「催告」を受ける可能性
司法書士に依頼すれば、数万円程度の費用でスムーズに登記が可能です。
早めに手続きを行うことで、後々のトラブルを防げます。
2. 空き家を放置すると「特定空き家」に指定されることも
放置された空き家が周囲に危険や迷惑を及ぼしていると、「空家等対策特別措置法」で定義されている「特定空き家」に自治体から指定されることがあります。
特定空き家に指定される主な条件としては以下のようなものがあります。
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倒壊の危険がある(屋根や壁が崩れそう)
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衛生上有害(ごみの放置・悪臭・害虫など)
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景観を著しく損なっている
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管理が行き届かず周囲に迷惑をかけている
指定を受けると、住宅用地特例が解除され、固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクがあることに加えて、
行政指導や勧告を受けると、解体命令や行政代執行(強制撤去)が行われ、これらの費用は所有者負担になります。
3. 住宅用地特例の有無で固定資産税が大きく変わる
固定資産税は、土地の評価額に税率(原則1.4%)をかけて計算します。
ただし、住宅が建っている土地には「住宅用地特例」が適用され、課税額が大幅に軽減されます。
- 小規模住宅用地(200㎡以下):課税標準は評価額の1/6
- 一般住宅用地(200㎡超部分):課税標準は評価額の1/3
つまり、住宅が建っているだけで固定資産税は6分の1まで減る可能性があります。
しかし、建物を取り壊したり、倒壊の恐れがある「特定空き家」に指定されたりすると、この特例が外れ、翌年から税額が急増します。
4. 相続税との関係にも注意
相続税では、不動産を相続時点の評価額(路線価など)で計算します。
住んでいる場合には小規模宅地等の特例(最大80%減額)を適用できることもありますが、
住まない場合はこの特例が使えず、相続税が高くなるケースもあります。
相続した後にどう活用するかを早めに決めることで、税負担を抑えられる可能性があります。
5. 放置せず「活用」または「整理」するのが賢明
実家を放置すると、税金・管理・防犯・相続トラブルといったリスクが重なります。
売却・賃貸・リフォーム・更地活用など、目的に合わせて早めに方向性を決めましょう。
特に、遺産分割協議における資産価値の把握や、相続登記、固定資産税の扱いは専門知識が必要なため、不動産鑑定士や司法書士、税理士などの専門家に相談するのが確実です。
当社では、遺産分割協議から必要な場合は売却までワンストップで対応致します。
まずは下記お問い合わせフォームより気軽にご連絡ください。
